フリーランス

フリーランスに向いている人・向いていない人の特徴|「向いていない」を克服する方法

伊藤祐太

近年、働き方の多様化に伴い、特定の企業や組織に属さずに働く“フリーランス”というスタイルが注目を集めています。

フリーランスは、働く時間や場所、仕事の内容などを自分の裁量で自由に決められるという魅力がある一方で、収入の不安定さや孤独感といった課題も存在します。

これからフリーランスとして活動を検討されている方の中には、「自分は本当にフリーランスに向いているのだろうか」という不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。

しかし、フリーランスとして成功している人は、生まれ持った性質だけでなく、フリーランスとして必要なスキルや心構えを後から身につけた方もいます。

本記事では、フリーランスに向いている人の特徴と向いていない人の特徴を徹底的に解説し、フリーランスとしての働き方や、課題を克服するための具体的な方法をご紹介します。

フリーランスに向いている人の特徴11選

フリーランスに向いている人の特徴

フリーランスとして活躍するためには、特定の資質や能力が求められます。ここでは、フリーランスに向いている人に共通する11の特徴をご紹介します。

自己管理能力が高い人

フリーランスは、働き方の自由度が高い分、スケジュール管理、タスク管理、金銭管理、体調・メンタル管理など、すべてを自分で行う必要があります。特にスケジュール管理は納期厳守に関わり、クライアントの信頼に繋がるため重要です。

オンとオフの切り替えがうまい人

フリーランスの仕事は、仕事とプライベートが混同してしまいがちです。明確な線引きができ、オンとオフの切り替えがうまい人は、仕事にもプライベートにも全力で取り組むことができ、充実した生活を送れるでしょう。

主体的に行動できる人・自走できる人

フリーランスは、案件獲得やクライアントとの交渉、プロジェクト推進など、自ら積極的に行動する必要があります。能動的かつ積極的に仕事に取り組むだけでなく、必要なスキルや知識を自ら勉強することも欠かせません。フットワークが軽く、自己アピールが上手な人ほど向いています。

継続的に学習できる人・成長意欲がある人

企業のような研修制度がないフリーランスは、個人のスキルや経験で評価されるため、継続的に知識や新しいスキルをインプットし、アウトプットの質を上げていく姿勢が大切です。時代の変化に対応し、常にスキルアップを目指す成長意欲がある人は、高単価な案件を獲得しやすく、フリーランスとして活躍できるでしょう。

変化を好む人・柔軟に対応できる人

フリーランスの仕事は安定的ではなく、収入や仕事量が変動します。安定したワークスタイルよりも、変化に富んだチャレンジの日々を刺激的だと感じる人 や、クライアントの要求や予期せぬ問題に対して柔軟に対応できる人が向いています。変化を恐れずに、前向きに対応できる姿勢が継続的な仕事に繋がります。

コミュニケーション能力が高い人・交渉が得意な人

フリーランスは、案件獲得や人脈構築、クライアントとの関係維持のために、積極的にコミュニケーションを取る必要があります。特に、報酬や納期、仕事内容について、自分の価値を適切に主張し、依頼主と主張を摺合せ、折衷案を探す交渉力は、適切な条件で仕事をするために非常に重要です。

金銭管理能力がある人

会社員のように毎月安定した給与がもらえるわけではないため、金銭管理の能力は重要です。貯蓄や収支のバランスを把握し、生活費の計算や貯蓄計画を立てられる人は、金銭的な不安に陥りにくいでしょう。経費の精算や確定申告といった税務処理も自分で行う必要があります。

成果を追求できる人

フリーランスの世界では、結果がすべての成果主義です。仕事をやればやるほど収入を得られるため、データに基づいて目標設定を行い、その達成に向けて粘り強く行動できる姿勢が、長期的な成功につながります。

責任感を持って仕事に取り組める人

フリーランスは、案件のすべてにおいて自分が責任を負う立場です。納期を必ず守り、クライアントの期待以上の成果を出そうと努力し、問題が発生した際に誠実に対応できる強い責任感が必要です。

ストレス耐性が高い人

フリーランスは収入の不安定さや締め切りのプレッシャーなど、多くのストレス要因に晒されます。困難な出来事もポジティブに受け止め、冷静に解決策を見出せる高いストレス耐性、つまりいい意味で楽観的な思考を持つ人は、長期的に活躍しやすいでしょう。

一人での作業が苦にならない人

フリーランスは、基本的に一人で作業を進める時間が長くなります。黙々と集中して作業に取り組む方が成果を出しやすいと感じる人にとっては、フリーランスの環境は適していると言えます。

フリーランスに向いていない人の特徴7選と克服方法

フリーランスに向いていない人の特徴

フリーランスという働き方は、すべての人に向いているわけではありません。ここでは、向いていない人の特徴と、それらの課題を克服するための現実的な方法を解説します。

セルフコントロールが苦手な人

休憩と仕事のメリハリをつけられず、体調やモチベーションを管理できない人は、仕事の効率が下がりやすいです。納期を守れないリスクも高まります。

コラム

私の失敗談ですが、仕事のメリハリをつけられずに、ずっと仕事をしてしまうと、夜寝る時間が遅くなり睡眠時間を確保できずに体調を崩してしまうこともありました。

また、納期ギリギリになってしまい、徹夜で記事を仕上げたこともありました。

仕事のしすぎや余裕を持ちすぎ、どちらも自分の首を締めることになります。日頃から計画的に案件獲得の調整や外注化、スケジュール調整をする必要があります。

また、人は締め切りを設定すると、締め切りの期日ギリギリまで案件を引き延ばしてしまう生き物なので、早めに締め切りを自分で設定し、その締め切りを守るようにしたところ、納期に余裕を持って納品することができるようになりました。

安定を求めている人

フリーランスは、クライアントとの契約終了などで収入が大幅に下がるなど、常に不安定な状況にあります。毎月決まった固定収入を望む人には向いていません。

フリーランスだと、頑張った分だけ稼ぐことができます。案件が獲得できないと、普通に月の収入が0円になってしまう可能性もあります。複数の案件獲得ルートを持っておいたり、仕事を紹介してくれる人との人脈作りをし続ける必要があります。

積極性がない人・指示がないと動けない人

会社員のようにあらかじめ仕事が用意されているわけではないため、自分で営業活動を行い、案件を獲得する積極性がないと、活躍は難しいでしょう。

案件獲得のためにできること

フリーランスのためのサイトに複数登録をしてみたり、多くの人に会って、人脈を作っておくことも重要です。また、人付き合いをしていく中で、仕事をもらうことばかりを念頭に置いて行動してしまうと、嫌がられることもあります。相手のニーズと自分が提供できるスキルがマッチングした時に、初めて仕事が得られるので、ビジネスにおける相手の悩みを聞くところから、人付き合いを開始してみましょう。

コミュニケーションや交渉が苦手な人

案件獲得のための交渉や、クライアントとの円滑な関係構築に不可欠なコミュニケーションが得意ではない人は、仕事を得るのに苦労する傾向があります。

責任感がない人

フリーランスはミスやトラブルをすべて自分で解決しなければならず、上司や会社が守ってくれる会社員とは異なります。責任感がないと判断されると、次のチャンスが与えられず、仕事を失う可能性が高いです。

私が外注したライターのお話

以前、複数のweb記事の執筆を外注した時のことです。1記事の文字数はそれほどなかったものの、20記事ほど外注をしてみました。依頼したそのライターから納品された記事は、誤字脱字だらけで、見出しだけで本文が無かったりと、とても使えるものではなかった経験があります。受け答えは良く、なんでもやります!と意気込みはよかったものの、二度と発注しないと思った方でした。

一度信頼を失ってしまうと、二度と同じクライアントから仕事は受けられなくなり、徐々に界隈で悪い意味で有名になっていきます。誠実な仕事を心がけ、小さな信頼を積み重ねていきましょう。

大きな変化を好まない人

業界のトレンドや技術が急速に変化する環境で、現状維持を理想とし、新しい状況に適応するのが苦手な人は、競争に遅れをとるリスクがあります。

経理や事務作業が苦手な人

確定申告や各種保険の手続きなど、煩雑な事務処理をすべて自分で行う必要があります。これらを負担に感じる人は、本来の業務に集中できなくなる可能性があります。

経理作業が苦手な時は

エンジニアやライターなど、普段経理作業をしない人にとっては、謎が多い経理作業。経費を使ってみたものの、どの勘定科目になるのかよくわからない、確定申告は最終日ギリギリに終わらせているという方も多いのではないでしょうか。

私たちは会計freeeを使い、経理作業の負担を軽減しています。

勘定科目も自動で振り分けしてくれるので、一つ一つの項目で悩まなくても良いので、確定申告も簡単に済ますことができます。

なんでも自分で行う方も多いと思いますが、便利な道具に頼り、時間を有効に使うことで生産性をあげることも可能です。

「向いていない」を克服するための現実的な対策

「向いていない」を克服するための現実的な対策

もし向いていない特徴に当てはまっても、努力や工夫次第でフリーランスとして活躍できる可能性はあります。克服のための具体的な行動を始めましょう。

課題克服するための行動 
営業・交渉が苦手エージェントを活用し「苦手なこと」を代行させる。エージェントは案件紹介、報酬交渉、請求書作成などをサポートしてくれるため、コア業務に集中できます。
収入の不安定さ副業で小さくテストを始める。クラウドソーシングサイトで手軽な案件を受注し、リスクヘッジしながらフリーランスの働き方を体験します。案件獲得ルートを複数持つことも重要です。
孤独感コミュニティやコワーキングスペースを利用する。オンライン・オフラインの交流を通じて、仲間を作り、メンタルをサポートし合いましょう。
事務処理が苦手会計ソフトやアウトソーシングを利用する。税務知識の習得に時間をかけたくない場合は、専門家(税理士など)に依頼する選択肢もあります。
リスクを最小限にしてまずは行動を

フリーランスに向いていないと思う方でも、諦める必要はありません。

今、会社員であれば副業から始め、少しずつ実績を積み重ねていきましょう。最初に1円を稼ぐことができれば、あとはどう大きくしていくかを考えればいいだけ。最初の1円が一番大変です。小さく始められることから始め、徐々にスケールしていきましょう。

フリーランスのメリットとデメリット

フリーランスとして働くことを決断する前に、会社員との比較で得られるメリットと、付き合っていくべきデメリットを深く理解しておきましょう。

フリーランスで働くメリット10選

フリーランスで働くメリット

仕事の自由度が高くなりやすい

企業に所属するよりも業務内容の制限が少なく、自分がやりたい仕事や得意な業務を中心に展開できます。

成果次第で収入アップを狙いやすい

自分のスキルや実績を活かせる仕事に重点を絞ることで、効率よく稼げ、収入に上限がない状態を目指せます。

働く場所を自由に選びやすい

リモートワーク可能な案件を選べば、自宅、カフェ、コワーキングスペースなど、自分が快適に作業できる環境を選べます。

自由なスケジュール

自分の裁量で稼働時間を調整でき、プライベートの都合と調整しながら働けます。朝型・夜型など、個人のリズムに合わせた効率的な時間活用が可能です。

人間関係のストレスを減らしやすい

決まった職場への出勤ストレスがなくなり、苦手な人との関わりも最低限で済ませることができます。

定年がない

厳密な定年が存在しないため、健康で意欲がある限り、長期的な視点でキャリアを展望できます。

得意分野を生かせる

会社の方針に縛られず、自分の専門知識やスキルを最大限に活用できる案件を選べます。

経費を計上できる

事業主として、業務に必要な費用(PC、通信費、研修費など)を経費として計上できるため、課税対象額を減らし、税負担を軽減できます。

主体的にキャリアを形成できる

案件の選択により、理想とするキャリア形成がしやすく、自己成長につながりやすいです。

税金の負担が軽くなりやすい

確定申告を丁寧に行うことや経費計上によって、課税対象額を大幅に減らせる可能性があります。

フリーランスとして働くデメリット5選

フリーランスとして働くデメリット

収入が不安定になりやすい

案件ごとの単価が異なり、仕事量が変動するため、月ごとに収入に波があることが少なくありません。

税務処理の手間がかかる

確定申告や経費の計算、各種申請など、会社員では総務や経理が担当していた事務処理をすべて自分で行う必要があります。

各種保険や福利厚生が期待できない

会社員であれば当然ある厚生年金や雇用保険、労災保険などの社会保険が存在しません。また、住居手当や有給休暇などの福利厚生も期待できません。

社会的信用を得にくい

収入が不安定であるため、クレジットカードの作成や住宅ローン、賃貸契約の審査などが会社員に比べて通りにくい傾向があります。

孤独感を感じやすい

基本的に一人で作業するため、孤独感を抱きやすく、仕事の達成感を分かち合う機会も少ないです。

フリーランスのメリットデメリットは、他の記事でも詳しく解説しています。

あわせて読みたい
フリーランスのメリットとデメリットを徹底解説|会社員との違いや注意点も紹介
フリーランスのメリットとデメリットを徹底解説|会社員との違いや注意点も紹介

専門性を活かせるフリーランスの代表的な職種

自分の経験や知見を活かせる職種を選ぶことが重要です。

職種カテゴリ具体的な職種例特徴
エンジニア・技術開発Web開発者、AIエンジニア、プログラマー、デバッカーなど年収が高く、スキル経験を積むことで年収を伸ばせる傾向にあります。常に新しい技術へのキャッチアップが求められます。
クリエイティブWebデザイナー、イラストレーター、漫画家、動画クリエイターなどポートフォリオサイトなどで作品を公開し、実績をアピールすることが重要です。
出版・メディアライター、編集者、小説家など専門知識を活かした技術系ライターや、読者の心に響くストーリーを書く小説家などがいます。
コンサルティング経営コンサルタント、キャリアコンサルタントなど経験と知識が重要で、報酬水準が高い傾向にあります。人脈を活かした顧客獲得が多いです。
その他翻訳・通訳、税理士、司法書士など、資格や専門知識を活かす職種多言語を扱える人材は需要が高まっています。

フリーランスとして成功するためのポイント

フリーランスとして成功するためのポイント

フリーランスとして長期的に活躍し、安定的な収入を得るためには、以下のポイントを意識しましょう。

スキルの継続的な向上

市場の変化や新技術の登場に追随するため、オンラインコースやセミナー、業界イベントへの参加を通じて学び続けましょう。

マーケティングとセルフブランディング

自身の強みや特徴を明確に打ち出し、自分自身をブランド化することが成功の鍵です。ポートフォリオやSNSを活用し、クライアントに価値を伝えましょう。

クライアント管理とコミュニケーション

適切なコミュニケーションを保ち、クライアントの期待に応える姿勢を持つことが、信頼を築き、リピート案件につながります。

複数の案件獲得ルートの確保

収入源を多様化し、リスクを分散させましょう。フリーランスエージェントは高単価案件を紹介し、営業も代行してくれるため、積極的に複数登録することが推奨されます。

明確な目標を立て、時間管理を徹底する

モチベーションを維持するために、具体的な目標を設定します。タスク管理ツールなどを活用し、時間管理を徹底しましょう。

向き不向きは「スキルと行動」で乗り越えられる

フリーランスに向いているのは、自己管理が徹底でき、主体的に行動し、変化や挑戦を楽しめる人です。特に、フリーランスにとって「敵は自分」であり、自己管理能力と自走力は欠かせない要素です。

もし、現時点で向いていない特徴に当てはまったとしても、心配する必要はありません。フリーランスとして成功するかどうかは、自分の特性を理解した上で、足りない部分をエージェントの活用やツールの導入といった対策でカバーし、必要なスキルや心構えを努力によって磨いていくことで改善できるからです。

まずは、クラウドソーシングなどを利用して副業から始め、フリーランスの働き方を体験してみるのが、最もリスクの低い適性判断の方法です。

フリーランスへの挑戦は、自分のキャリアを自分で作りたいと考える人にとって、自己実現に向けた大きな一歩となるでしょう

作成者
Yuta Ito
Yuta Ito
PRプランナー・SEOコンサルタント・SEOスペシャリスト
理学療法士として病院に15年勤務後、医療機関の広報業務に携わる。 全日本SEO協会認定SEOスペシャリスト、認定SEOコンサルタント。 日本パブリックリレーションズ協会PRプランナー。
記事URLをコピーしました