なぜフリーランスは大変なのか?リアルな苦悩と乗り越えるために行ったこと

コロナ禍を経て、さまざまな働き方ができるようになった一方、会社員として頑張らなくても自分で稼ぐ、好きなことで稼ぐといった方々が増えてきています。
フリーランスと聞くと、カフェで自由気ままに作業をし、午後はサウナや筋トレ、自然の中でゆっくりなど、時間に縛られることなく、自由気ままに働いている印象があるかもしれません。
でも、フリーランスは大変なことが多いのが現実です。
「会社員のままの方が良かったかな」
「企業に守られている人が羨ましい」
そんな風に思ってしまうフリーランスの方もいると思います。
この記事では、実際のフリーランスの仕事がどのくらい大変なのか、リアルな部分をお見せしようと思います。
なぜフリーランスは大変なのか

フリーランスは、いつ何をやろうが自由ですが非常に大変です。全て自由、自己責任なので会社員時代のように定期的にお給料があって、お休みも労働時間も決められているという環境ではありません。
色々と大変さがありますが、ここでは実際に体験した7個つの経験をご紹介します。
収入の不安定さ
会社員は毎月安定してお給料が振り込まれますが、フリーランスは仕事をした分が稼ぎになります。良くも悪くも、収入は自分次第ということです。
さまざまなクライアントから契約を獲得していれば良いですが、案件が途切れれば収入は0です。
また、案件はあってもクライアントからの支払いが遅れることもありますし、低い単価の案件を多く受けてしまうと、収入が少なくなってしまう月もあります。
もちろん多く稼げる月もありますが、案件をどれくらいこなせるのか、案件ごとの単価がどのくらいなのかなど、収入が変動する要素が多いのがフリーランスです。
社会保障・福利厚生の不足
フリーランスは雇用契約を結ばないため、失業保険、退職金制度、傷病手当などの会社員に保障されている制度を受けることができません。そのため、病気や怪我で仕事ができなくなった場合、即座に無収入となるリスクがあります。
会社員時代の社会保険を継続できる期間はありますが、フリーランスになると会社が負担していた支払い分がなくなり、保険料は全額自己負担となるため、会社員時代の約2倍になることもあります。
毎月の収入が安定しないことから社会的な信用が低く見られがちで、ローンの審査に通りにくいなど、クレジットカードの作成やローンを借りることが難しい場合があります。
精神的な負担
一人で仕事を行えるというメリットはあるものの、困った時や行き詰まった時に相談できる相手がいない場合は、精神的に負担がかかる。
家族やパートナーなどに相談しても、仕事の内容がわからないと真剣に話に話を聞いてもらうことも難しいかもしれない
休日と平日、日中と夜間の区切りも明確ではないので、夜間の打ち合わせや土日の仕事も当たり前です。
慣れない経理処理や確定申告
フリーランスとしての仕事だけでなく、経理処理や確定申告、請求書の作成・送付など、さまざまな仕事も自分で行わなければいけません。
会社員であれば、経理や総務の方が行なってくれている仕事も全部自分で行います。
毎月の請求書の作成は、取引先が多くなると作成する枚数も多くなるので、地味に大変で面倒臭い作業です。
また、確定申告も自分で行う必要があります。この点は、自動で勘定科目を振り分けしてくれるソフトが出てきていますので、必ずしも全て自分で行わなくても大丈夫です。
ソフトに頼れる部分は頼りましょう。
クライアントとのやりとり
クライアントとのやりとりも方法はさまざまです。
LINEやメールでやり取りをするところもあれば、チャットワークやslackで連絡を取るところもあります。クライアントごとに連絡を取る媒体が違うと、連絡に気づかず返信が遅れてしまうこともあります。
また、案件が多くなりすぎると、どのクライアントがどの案件なのか、混同する可能性も考えられます。
案件獲得が難しい
フリーランスになってすぐの場合は、実績が少ない方がほとんどでしょう。
このような場合は、案件獲得に苦労することもしばしばです。
クラウドソーシングや知人からの紹介で、できるだけ案件を多くこなし、ポートフォリオを充実させる必要があります。ポートフォリオが充実してくると案件も自然と取れるようになりますし、クライアントから次の案件先を紹介してもらえることもあります。
スキルを磨き続けなければいけない
フリーランスは個人の信頼が全てです。納期を守る、失礼のないコミュニケーションをとるなど、社会人として求められるスキルが揃っているのは大前提です。
それ以外に、スキルがなければ話になりません。特にIT系のフリーランスの方は、技術の進歩が早いため、常に学び続けなければいけません。他にもライターやデザイナー、コンサルなど、成果物によりスキルがわかってしまう職種もあります。クライアントからスキルが低いと見られてしまうと、次の発注にはつながりません。常にスキルの向上を目指し、継続した案件を得られるようにしていくことが必要です。
フリーランスのメリット

フリーランスは大変な面がある一方、メリットも存在します。
普段感じている、フリーランスのメリットを解説します。
好きな案件、クライアントと仕事ができる
単価が安い案件、やる気になれない仕事、嫌いなクライアントとは仕事をする必要はありません。
会社員だと、どうしても息の合わない同僚や高圧的な上司がいるものです。会社員だと、誰と働くのかは選べませんが、フリーランスだと全て自分で決められます。案件が少ないうちは、なかなかクライアントを選ぶことはできませんが、案件が増えてきたら嫌いなクライアントは継続して仕事を受ける必要はなくなります。
いつでも・どこでも・いくらでも・いつまでも稼げる
会社員は、会社の規定で決められた昇給額や月給しかもらうことはできません。また、毎月の給料をあげようと思うと、役職について責任が重くなり仕事量も増えるため、家族との時間も少なくなってしまいます。
しかし、フリーランスは高単価の案件を獲得し効率よく稼ぐこともできますし、業種によっては自宅やカフェ、ショッピングモールなど、PCがあればどこでも稼ぐことができます。
また、会社員と違い定年が存在しません。いつまでも稼げます。会社員は定年を迎えると、わずかな退職金をもらい、足りない生活費はシルバー人材センターなどで稼ぎながら老後の生活を送ります。1つの企業で勤め上げ多くの退職金をもらうような人は少なくなっているため、生活資金面で老後の生活に不安を感じている方もいることでしょう。
必要とされている限り、フリーランスは稼ぎ続けられます。
フリーランスに向いている人

大変さがある一方でメリットも多いフリーランスですが、以下のような方はフリーランスでもやっていける可能性があります。下記の条件に当てはまり、我こそは!と思う方は、フリーランスにチャレンジしてみても良いと思います。
スキルや実績がある方
フリーランスとして働く上で重要になるのがスキルです。
会社とは違い、会社の信用や看板を背負って仕事をするわけではないので、個人としてのブランドが重要になります。他のフリーランスとはどのように差別化をしているのか、料金形態やサービスの質はどうなのかなど、さまざまな角度で他のフリーランスと比較されます。
以前とくらべ、フリーランスの方も多くなってきていますので、他者には負けないスキルを身につける必要があります。
またポートフォリオを充実させ、大きな実績を作ってアピールすることもクライアントから信用を得るひとつの方法です。
営業・マーケティング力がある人
フリーランスは、仕事を与えられるわけではなく、自分で仕事を獲得する必要があります。
ライターやシステムエンジニアなど、本業の仕事以外に、営業やマーケティング力も求められるのが現実です。
どこから案件をもらってくるのか、自分のスキルはどこの市場でどのような売り方なら売れるのかなど、営業、マーケティングの視点で考えることが多くあります。
自分を管理できる人
働く場所、仕事の量、朝起きる時間、納期など、仕事のことを自由に自分で決められるのがフリーランスです。しかし、自己管理ができない人の場合、案件を抱えすぎてしまったり、仕事をしなければ納期に間に合わないのに、スマホをいじってしまい時間を溶かしてしまうということもおきかねません。
このような仕事の仕方では、クライアントに迷惑をかけるのも時間の問題です。また、請求書を送り忘れて後日請求するというのも先方に迷惑をかけてしまうため、さまざまな業務の管理を自分で行わなければいけません。
不安定な時期を乗り越えられる人
仕事や収入に、変動があるのがフリーランスです。
この不安定な状態に耐えられないと、そもそもフリーランスはできません。
過酷な時期や不安な時期を乗り越えられる自信がある方は、フリーランスを目指しても良いかもしれません。
フリーランスに向いてない人

下記の条件に当てはまる人は、フリーランスに向いていない可能性があります。
ひとつひとつチェックしてみてください。
スキルや実績が全くない人
スキルや実績がない状態では、あなたに仕事を発注してくれるクライアントは見つかりにくいでしょう。
このような場合は、フリーランスとして需要があるスキルを身につけたり、クラウドソーシングサイトで収益を考えず、低単価で案件を受け、ポートフォリオを作るところから始めましょう。
コニュニケーション力をつける
コミュニケーション力も、フリーランスに求められる重要な要素です。
人をイラ立たせる、失礼な態度をとる、偉そうにするなど、そもそも一緒に仕事をしたいと思われなければ、仕事を受けられません。
あなたにしかできない仕事かもしれませんが、仕事を発注していただけることは当たり前ではありません。その気になればあなたの代わりは、すぐに見つけられてしまいます。今のご縁を大切に、謙虚な姿勢で仕事にあたることをお勧めします。
コミュニケーションが取れないがゆえに、フリーランスとして独立したものの、案件がとれず会社員に逆戻りしてしまった方もいます。このような人は、再就職した職場でも、“フリーランスとして務まらなかった人”として、レッテルを貼られた状態で仕事をし続けなければいけなくなります。
大きなリスクを取れない人
フリーランスに憧れてはいるものの、リスクが取れない状態の人にフリーランスは向きません。
多額の住宅ローンや車のローンが残っている人や、貯金がない人、家族が多く毎月の生活費がカツカツの人など、“守るべきもの”がある人は、リスクが取れません。
来月から収入が0になったとしたら、何ヶ月生活できますか?
収入が0かもしれないという心理状態で、営業をしたり案件に着手することはできますか?
もし、来月からの生活が厳しい状態や、ぎりぎりの心理状態になることが嫌であれば、フリーランスになることはお勧めしません。
まずは、生活費の半年分くらいを貯金してからでも、フリーランスデビューは遅くないでしょう。
まとめ
今回の記事では、なぜフリーランスは大変なのか、具体的な理由を7つご紹介しました。
フリーランスは、思った以上に大変な部分が多く、人によっては独立をするために貯金やスキルの獲得などの準備をする必要があります。
自分がどれくらいのリスクをとれるのか、把握をした上で、フリーランスデビューを目指してみましょう。