フリーランスの就労証明書|保育園申請で不利にならないノウハウ
フリーランス(個人事業主)は、最近注目を集めている働き方ですが、子どもの保育園入園を検討しているママ・パパの中には、
「フリーランスでも子どもを預けられるのか?」
「就労証明書はどう書けばいいのか?」
と不安を感じている方も多いでしょう。
本記事では、フリーランスが保育園の選考で不利にならないための就労証明書の書き方、必須となる添付書類、そして審査を有利に進めるための具体的な対策について、網羅的に解説します。
この記事のまとめ

フリーランスでも就労証明書が必要な理由
保育園(認可・認可外を問わず)や学童保育の利用申請において、就労証明書は必須となる重要な書類です。これらの社会サービスは、保護者が就労などの理由で保育が困難な家庭に対して提供されるサービスのため、「働いていること」を公的に証明する必要があるからです。
就労証明書には、就労時間や雇用形態、収入などを記載し、これらの情報をもとに自治体は保育の必要性を判断します。
フリーランスは保育園の審査で不利になりやすい?
業務委託で仕事をしているフリーランスでも、保育園を利用する必要性がある場合には子どもを預けられます。
しかし、フリーランスは保育園の入園選考で不利になる可能性がある点に注意が必要です。
フリーランスが審査で不利になりやすい点2つを、具体的に解説します。
勤務時間が不明確で証明が難しい
会社員は勤務時間や日数が明確で、会社が就労事実を証明できますが、フリーランスは一般的に勤務時間が明確でなく、第三者に働いていることを証明するのが難しいため、審査で不利になる場合があります。
自己申告の限界
フリーランスは自分で就労証明書を作成するため、その内容が「自己申告」に過ぎないと見なされ、客観的な証拠書類(添付書類)を求められます。
入園審査の基準となる「指数」(基準指数、調整指数、優先順位)

ほとんどの自治体では、点数制(正式には指数)を活用して入園の可否判断を行っています。家庭や就労状況をポイント化して合計点によって選考を行う仕組みです。
点数制の主な区分は以下の通りです。
| 指数区分 | 概要 |
| 基準指数 | 保護者の就労状況(日数や時間)や健康状態により算定される点数です。就労の日数や時間が多いほど、より高い数値が設定されています。 |
| 調整指数 | ひとり親世帯、兄弟がすでに入園している、認可外保育施設やベビーシッターの利用実績があるなど、家庭状況に応じた加点・減点を行う指数です。 |
| 優先順位 | 各世帯が同じ点数だった場合に、入園する子どもを決定するための順位付けです。 |
フリーランスの場合、「自営業で子どもを見ながら就労できる」と判断されると減点対象となることがあるため、子どもを保育中に見られない実態を示すことが重要です。
フリーランスの就労証明書の準備

フリーランスの就労証明書の準備に関して解説していきます。
自分で就労証明書を作成する
会社員は勤務先に就労証明書の作成を依頼するのが一般的ですが、雇用主がいないフリーランスや個人事業主は、自分で証明書を作成し提出します。
この際、就労証明書はフリーランス自身が「発行者」であり「証明者」となります。
就労証明書のフォーマット
就労証明書のフォーマットは、以前は自治体ごとに異なっていましたが、2024年4月申込分から全国で様式が統一されています。
入手方法は主に以下の通りです。
自治体の窓口
お住まいの市区町村役所の窓口で直接受け取れます。
Webサイトからのダウンロード
自治体のホームページ、こども家庭庁の「別添 就労証明書(簡易版)標準的な様式」、マイナポータルの「就労証明書作成コーナー」(ぴったりサービス内)からダウンロード可能です。
提出期限と早めの準備の重要性
就労証明書は、「証明日から3ヶ月以内に発行したものが有効」とされているため、作成するタイミングに注意が必要です。
また、保育園申請の書類提出時期は、利用したい年の前年10月〜11月頃が目安とされています。就労証明書の作成準備は、その前の8月頃から進めておくのがよいでしょう。
就労証明書が必要になる場面は、保育園の入園申請の時だけではありません。
保育園により異なりますが、私たちが預けている保育園では、夏休みや冬休みに“希望保育”と呼ばれる期間があり、その期間にお子様を預かってもらうためにも就労証明書が必要でした。
就労証明書は項目も多く、書くのが大変な書類です。都度必要になることもありますので、一度作成したらコピーなどを保管しておき、次回作成時の参考にするとスムーズです。
フリーランスのための就労証明書の具体的な書き方

就労証明書は、事業の実態を証明するための重要な書類です。
この書類の内容は、審査の合否に大きく影響します。自治体によって記載項目は異なりますが、ここでは一般的な項目の記入ポイントを解説します。
| 項目 | フリーランスの記載内容とポイント |
| 証明日 | 提出するタイミングに合わせて記入します。「証明日から2ヶ月以内」などの規定がある場合があるため、記入する日付には注意してください。 |
| 事業所名 | 屋号があればその名称を、屋号がない場合は自分の氏名または、「自営業」や「個人事業主」と記入します。 |
| 代表者名/担当者名 | フリーランスは氏名を記入します。 |
| 所在地 | 事業を行っている場所の住所を記入します。主に自宅で働いている場合は自宅の住所です。開業届を提出している場合は、事業所として登録した住所を記入しましょう。 |
| 電話番号 | 日中に連絡が取れる電話番号を記入します(携帯電話など)。 |
| 業種 | 該当するものがなければ「その他」にチェックし、カッコ内に「Webライター」「デザイナー」など具体的な職種を記入します。 |
| 雇用(予定)期間等 | 継続予定であれば「無期」にチェック。「期間の開始年月日」には事業を始めた日付、または開業届を提出した日付を記入します。 |
| 雇用の形態 | 「自営業主」にチェックを入れます。家族経営の場合は「自営業専従者」等になる可能性があるため、自治体に確認をしてみましょう。 |
| 本人就労先事業所 | 所在地と実際の就労場所が異なる場合(企業常駐案件など)に、勤務先企業の名称と住所を記載します。 |
| 就労時間 | 固定している場合は「固定就労の場合」に始業・終業時間を記入。不規則な場合は「変則就労の場合」に1ヶ月または1週間あたりの合計就労時間を記入します。休憩時間も忘れずに記入しましょう。 |
| 就労実績 | 提出日からさかのぼって、直近3ヶ月間の実績(日数や時間)を記入します。開業したばかりで実績がない場合は、今後の就労見込みを記入します。 |
| 産前・産後休業の取得 | 自治体により、フリーランスの産前・産後休業の取り扱いに差があります。自治体に確認をした上で、記入をするようにしてください。 |
| 育児休業の取得 | 自治体により、フリーランスの育児休業の取り扱いに差があります。自治体に確認をした上で、記入をするようにしてください。 |
| 備考欄 | 産休・育休の場合は、フリーランスとしての活動は継続しており、産休・育休のために業務を一部縮小・受注停止をしていることや、顧客とも上記の点を調整済みであることなど、無職や廃業の状態であるわけではないことを記入しましょう。添付資料として、母子手帳をはじめとする出産・育児の状況がわかる資料を用意すると、より信頼性が増すでしょう。 |
入園審査で有利になる就労時間はフルタイム相当
保育園の入所審査においては、正社員と同様に1日あたり8時間以上の就労時間(週5日/1日8時間以上など)があると、選考が有利になる傾向があり、多くの自治体で会社員と同等の点数を確保できます。フルタイム勤務に近い日数・時間数となるように記入するのがコツです。
就労時間を記入する際は、自己申告した時間に実態が伴っていることを証明するため、長めに仕事をして就労実績を作っておくことがポイントです。案件を探す時間や営業用資料を作成する時間、ツールの使い方を学ぶ時間なども、就労実績の時間として換算可能です。
変則的な働き方や在宅ワークの場合の記載方法
勤務時間がバラバラな場合は、就労証明書の「変則就労」の欄に、月間または週間の合計就労時間を記入します。
また、就労時間を明確に記入できるよう、会社員のように勤務時間を決めておき、仕事をしている時間を把握し明確に記入できるようにすると良いでしょう。
備考欄で保育の必要性を具体的に伝える
「備考欄」は、上記の項目で伝えきれなかった特別な事情を記入する重要なスペースです。フリーランスは特殊な働き方をしている可能性が高いため、できる限り客観的に「保育の必要性」を証明するためにも、詳細に記入することをおすすめします。
・繁忙期と閑散期での就労時間の変動
・複数の業務委託先との契約時間
・開業したばかりで実績が少ない旨
・宿泊を伴う出張の回数
就労証明書と一緒に提出すべき証拠書類

就労証明書はフリーランス自身が作成する自己申告であるため、その内容が客観的な事実であることを裏付けるための「証拠書類(添付書類)」の提出が必須となります。
自治体によって必要書類は異なりますが、一般的に必要となる書類は以下の通りです。
開業届の控えのコピー
個人として正式に事業を開始していることを証明する、非常に重要な書類です。
「税務署の受付印が押印された開業届の控え」のコピーや、電子申告をした場合は「受信通知(受信記録)」を用意しましょう。
開業届を出していない人は、保育園申請を機に提出することを検討しましょう。提出していない場合、保育園の審査で「内職」と判断され点数が低くなる可能性があります。
内職と判断されないためにも、次に紹介する確定申告書の控えや、業務委託契約書のコピーなどで、長時間の就労の実態があることを客観的に認めてもらえるようにしましょう。
確定申告書(控)などの所得税の申告関係書類のコピー
収入の状況や事業の継続性を証明する最も信頼性の高い書類です。
「直近の確定申告書控え」、「青色決算書・白色収支内訳書の控え」、「源泉徴収票の写し」などが該当します。
確定申告書は、税務署の受付印または電子申告の受信記録があるものを用意します。所得が低い場合でも、世帯所得に応じて保育料が決まるため、確定申告は必ずしておきましょう。
業務委託契約書・請負契約書
フリーランスで仕事をしている証拠となる書類です。
契約書がない場合は、他の書類(請求書、メールのやり取りなど)を用意して事業の実態を証明する必要があります。準委任契約は、作業時間がフリーランスの裁量による請負契約よりも契約時間が記載されるため、就労時間として証明しやすいメリットがあります。
請求書、報酬支払通知書、入金履歴
具体的な取引と収入の実績を裏付ける資料です。
提出するもの: クライアントが発行した報酬支払通知書や発注書、クライアントに発行した請求書の控え、売掛金の入金が確認できる預金通帳のコピーなどがあります。
自治体独自の書類
自治体によっては、就労証明書のほかに、就労状況申告書(自営業者用)やスケジュール表の提出が求められることがあります。これらの書類は、特に勤務実態を詳細に伝えるために利用されます。
仕事内容がわかる資料
開業届を出していない場合などには、フリーランスとして働いていることが客観的に証明できる資料の提出が必要になることがあります。
・事業(仕事用)のホームページ、パンフレット。
・仕事の成果物(執筆記事、制作Webサイトなど)のプリントアウト。
・自身のスキルや実績を視覚的にアピールできるポートフォリオ。
書類が揃わない場合の代替資料
開業したばかりで確定申告書がない、または収入が安定していないなど、指定された書類がそろわない場合は、自治体の担当窓口に相談しましょう。
その際、クライアントとの業務委託契約書、請負契約書、仕事の依頼メールのコピー、または今後の収入見込みや事業計画書などを代替書類として提出することで、就労の実態を証明できることがあります。
保育園の審査を有利にするための対策とコツ
フリーランスが保育園の入園審査で点数を稼ぎ、不利を回避するための具体的な対策を紹介します。
就労実績を計画的に作り、客観的に証明する
審査で高得点を獲得するには、長時間の勤務実績をアピールすることが重要です。理想は「週5日/1日8時間以上」といったフルタイムの就労時間です。
客観的な証明とは、単なる自己申告ではありません。
「クライアントとの打ち合わせ記録」「仕事の成果物」など、働いた証拠になるものを残していきましょう。
計画的な実績作りとして、保育園申請が始まる10月前までに、計画的に案件数を増やし、就労実績をできるだけ長めに作っておくことがポイントです。できれば、最低3ヶ月以上の実績を作っておくようにしましょう。
企業常駐型の案件を選択するメリット
入園審査では「宅外で働いているかどうか」が重視される場合があります。企業の常駐案件を受注することは、審査に有利になる可能性があります。
理由は、常駐案件は会社員と近しい環境で働くことになるため、自宅で仕事をするよりも入園選考の点数アップにつながる場合があるからです。また、常駐型の案件は、安定した就労や収入があると判断されやすくなります。
認可外保育施設やベビーシッターの利用実績を作る
認可外保育施設(ベビーシッター、認証保育園など)を利用して、保育実績を作っておくことも有効な対策です。
自治体によっては、認可外保育施設の利用が確認できた場合に加点されるケースがあります。
ベビーシッターを利用した場合、「受託証明書」を自治体に提出することで加点される場合があります。この利用実績は、仕事と育児の両立が難しいことを客観的に証明するメリットもあります。
しかし、単発の利用では加点されることは考えにくいため、仕事のために子供を預けて本気で仕事をしていることが伝わるように、定期的に子供を預けていたり、月極契約をしていたりすると、より説得力が増します。
自治体の選考基準・加点ポイントを事前に確認する
フリーランスの保育園入園条件や点数の計算方法は自治体によって異なります。
ご自身がお住まいの自治体のホームページで確認したり、役所の職員に質問したりするなどして、どのような場合に選考に有利なのか、点数の計算方法などを把握することが大切です。
「週20時間以上の就労」や「月80時間以上の就労」など、自治体が定める就労時間の基準を満たしているかを事前に確認しましょう。
フリーランスの就労証明書に関するよくある疑問
開業届なしでも申請できる?
開業届は必ずしも必要なものではありませんが、提出している方が保育園の審査では有利です。
開業届を出していない場合でも申請は可能ですが、その場合「内職」と判断され点数が低くなるリスクが高くなります。開業届がない場合は、請求書や銀行の入金履歴、クライアントとの契約書などを証明書類として添付し、事業主であることをアピールしましょう。
収入ゼロ・不安定な場合でも保育園に入れる?
直近の収入がない場合でも、保育園への入園は可能です。ただし、審査時のハードルは上がります。
開業したばかりで収入がない場合は、今後の収入見込みや事業計画書を具体的に示すことが重要です。収入が少ない場合でも、確定申告をきちんと行い、収入の証拠を示すことで就労実績を証明できます。所得が低いからといって未申告だと、保育料が最高額になる自治体もあるため注意が必要です。
個人事業主1年目で、その前に会社員として働いていた実績がある場合は、その経歴や収入を証明する書類を提出するのも有効です。
保育園の保育料は経費にできる?
原則として、保育園に支払う「保育料」は、フリーランス活動の経費として計上できません。経費は事業に関連する支出を指すものであり、保育に関する支出は事業と直接関連がないためです。
ただし、保育料は住民税(区市町村民税の所得割)から算出されるため、節税対策をしっかりと行い住民税額を抑えることで、結果的に保育料も低くなります。
フリーランスでも準備次第で不利を回避できる
業務委託などで仕事をしているフリーランスでも、子どもを保育園に預けることは可能です。会社員と比較して審査で不利になる可能性はありますが、事前の十分な準備と客観的な証明によって、その不利を回避できます。
最も重要なことは、就労の実態を明確に記録し、客観的に証明できる書類を揃えることです。
就労証明書は自分で正確に記入し、「週5日/1日8時間以上」といったフルタイムに近い勤務実態を証明します。
客観的証拠として、開業届の控え、確定申告書の控え、業務委託契約書や請求書など、公的・私的な補足資料を可能な限り多く揃えましょう。
自治体ごとのルールを事前に役所窓口やWebサイトで確認し、審査基準(指数)を把握することが成功の鍵です。
十分な準備を整え、お子様の保育園入園という大切なステップをスムーズに進めましょう。
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